SESと派遣は同じ?
SESで現場常駐しているエンジニアは、基本的には毎日現場に行きっぱなしです。
これって派遣とやってることが一緒じゃないか…?
と思うことも、自然です。
この記事を執筆している筆者は、SE歴10年です。
SES・客先常駐も5年で、様々な現場を経験しました。
厳密に言えば、雇用形態としてはSESと派遣は別物です。
派遣は、派遣会社として派遣業の正式な登録が必要となります。
一方で、SESにおいては、派遣会社としての登録は不要です。
しかし実態としては、SESはほぼ、派遣そのものです。
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派遣のようなSESで、毎日消耗している…
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SESと派遣の違い
どちらも、客先に常駐して業務を行うのが一般的ですが、両者には契約方法に違いがあります。
派遣…派遣契約
SES…準委任契約や請負契約
派遣契約は、事業許可を得た派遣企業のみ、することができます。
人材派遣事業の許可は、資本金が2000万円以上ないと得ることができません。
ところが、駆け出しのIT企業などでは、到底2000万円など用意できない、という懐事情のケースも多々あります。
そのようなIT企業において、SES契約は都合が良いんですね。
資本金を用意せずとも、エンジニアを現場に常駐させることができるためです。
指揮命令権の違い
また、両者は「指揮命令権」に違いがあります。
派遣…派遣先企業に指揮命令権がある
SES…派遣先企業に指揮命令権がない(エンジニアを雇用している企業に指揮命令権がある)
※準委任契約や請負契約では、派遣と違って客先(クライアント側)の企業が労働者へ指示を出すのは禁止されています。
もし、SESなのに、客先からエンジニアに直接業務指示が来てしまうと、偽装請負と呼ばれる状態になってしまいます。
残念なことに、SES業界ではよくあることです。
偽装請負の例
「偽装請負」の一例として、ブラックSESでは「強制的な残業」に気をつけましょう。
私の実体験ベースで、お話いたします。とある現場での出来事。
官公庁系の案件を対応している現場でして、すでにあるシステムのマイグレーション作業(システム移行)を担当しました。
マイグレーション前のシステムが、他社が作成したもので、非常に作りが悪い状態でした。
そのため、私が入った時点で作業が山のようにある、いわゆる「デスマーチ」が絶賛進行中という状況でした。
その現場に入った初日に「20:00までは必ず作業してくれ。」というお達しがありました。つまり、強制的な残業ですね。
「長時間労働すれば成果が出る。」という短絡的すぎる考え方ですね。
また、常駐先の上長からそのような指示が出ていたので、今思えばいわゆる「偽装請負」状態でして、違法性のある行為です。
派遣のようなSES
というわけで、SESと派遣については、契約上の違いはあれど、偽装請負が横行している現状があります。
さらに実際問題として、客先常駐している立場としては、「そういう契約だから」と、客先企業からの指示を突っぱねるのは少し勇気がいります。
ですので、本来は派遣とSESには、明確な線引きがあるのですが、曖昧になってしまっているケースが多く見受けられます。
そもそも、現場のエンジニアが派遣・SESの違いについて理解できていないのも、原因の1つです。
SESと派遣の違いをしっかり理解する
まずは、SES契約の内容をよく理解して、自分がどのような契約で現場に出向いているのか、しっかり確認する必要があります。
その上で、現場の働き方に問題がないか確認しましょう。
これまで私が行った現場の中で、ホワイトなSES企業では、以下のような特徴がありました。
- SES契約に従って、労働が行われている
- 指揮命令系統の所存がしっかり線引きされている
- 1次請けの案件で、発注元と太いコネクションがある
- チーム体制で常駐して、自社のメンバーを守ることができる
- エンジニアを雇用している企業のリーダーが、指揮命令をしている
ホワイトなSES企業って存在するの?見分け方を徹底解説。[現役エンジニアが語る]
こちらの記事で、より詳しく解説しています。
一方で、これらの条件に当てはまらないSES企業でしたら、転職を視野に入れて活動することをおすすめします。
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