業務委託・派遣

SES(客先常駐)は派遣と同じなのか?契約や指揮命令についても解説。

SESと派遣は同じ?

SESで現場常駐しているエンジニアは、基本的には毎日現場に行きっぱなしです。

これって派遣とやってることが一緒じゃないか…?

と思うことも、自然です。

 

この記事を執筆している筆者は、SE歴10年です。

SES・客先常駐も5年で、様々な現場を経験しました。

 

厳密に言えば、雇用形態としてはSESと派遣は別物です。

 

派遣は、派遣会社として派遣業の正式な登録が必要となります。

一方で、SESにおいては、派遣会社としての登録は不要です。

 

しかし実態としては、SESはほぼ、派遣そのものです。

この記事では、SESと派遣の違いについて、詳しく解説していきます。

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ウィザードは1998年に設立したソフトウェア開発業務を遂行する企業で、これまで受託開発をメインに20年以上の実績があります。

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SESと派遣の違い

どちらも、客先に常駐して業務を行うのが一般的ですが、両者には契約方法に違いがあります。

派遣…派遣契約

SES…準委任契約や請負契約

派遣契約は、事業許可を得た派遣企業のみ、することができます。

人材派遣事業の許可は、資本金が2000万円以上ないと得ることができません。

 

ところが、駆け出しのIT企業などでは、到底2000万円など用意できない、という懐事情のケースも多々あります。

そのようなIT企業において、SES契約は都合が良いんですね。

 

資本金を用意せずとも、エンジニアを現場に常駐させることができるためです。

 

指揮命令権の違い

また、両者は「指揮命令権」に違いがあります。

派遣…派遣先企業に指揮命令権がある

SES…派遣先企業に指揮命令権がない(エンジニアを雇用している企業に指揮命令権がある)

 

※準委任契約や請負契約では、派遣と違って客先(クライアント側)の企業が労働者へ指示を出すのは禁止されています。

 

SES 偽装請負

もし、SESなのに、客先からエンジニアに直接業務指示が来てしまうと、偽装請負と呼ばれる状態になってしまいます。

 

残念なことに、SES業界ではよくあることです。

偽装請負の例

「偽装請負」の一例として、ブラックSESでは「強制的な残業」に気をつけましょう。

 

私の実体験ベースで、お話いたします。とある現場での出来事。

官公庁系の案件を対応している現場でして、すでにあるシステムのマイグレーション作業(システム移行)を担当しました。

 

マイグレーション前のシステムが、他社が作成したもので、非常に作りが悪い状態でした。

そのため、私が入った時点で作業が山のようにある、いわゆる「デスマーチ」が絶賛進行中という状況でした。

 

その現場に入った初日に「20:00までは必ず作業してくれ。」というお達しがありました。つまり、強制的な残業ですね。

 

「長時間労働すれば成果が出る。」という短絡的すぎる考え方ですね。

また、常駐先の上長からそのような指示が出ていたので、今思えばいわゆる「偽装請負」状態でして、違法性のある行為です。

偽装請負が平気で行われている会社だとすれば、確実にブラックSES企業です。

 

派遣のようなSES

というわけで、SESと派遣については、契約上の違いはあれど、偽装請負が横行している現状があります。

 

さらに実際問題として、客先常駐している立場としては、「そういう契約だから」と、客先企業からの指示を突っぱねるのは少し勇気がいります。

 

ですので、本来は派遣とSESには、明確な線引きがあるのですが、曖昧になってしまっているケースが多く見受けられます。

そもそも、現場のエンジニアが派遣・SESの違いについて理解できていないのも、原因の1つです。

 

また、SESでは、「客先の企業が労働者へ指示を出すのは禁止」ではありますが、実態としては、誰から指示を受ければいいのかわからないとか、働きにくさがあるため、結局のところ指揮命令が曖昧な状態になってしまうのです。

SESと派遣の違いをしっかり理解する

まずは、SES契約の内容をよく理解して、自分がどのような契約で現場に出向いているのか、しっかり確認する必要があります。

その上で、現場の働き方に問題がないか確認しましょう。

 

これまで私が行った現場の中で、ホワイトなSES企業では、以下のような特徴がありました。

 

  • SES契約に従って、労働が行われている
  • 指揮命令系統の所存がしっかり線引きされている
  • 1次請けの案件で、発注元と太いコネクションがある
  • チーム体制で常駐して、自社のメンバーを守ることができる
  • エンジニアを雇用している企業のリーダーが、指揮命令をしている

 

ホワイトなSES企業って存在するの?見分け方を徹底解説。[現役エンジニアが語る]

こちらの記事で、より詳しく解説しています。

一方で、これらの条件に当てはまらないSES企業でしたら、転職を視野に入れて活動することをおすすめします。

 

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