SESのプライム案件(1次請案件)とは
SESにおける「プライム案件(一次請け案件)」とは、クライアントから直接仕事を発注してもらうことを言います。
ここで言う’クライアント’とは、システム開発におけるお客さんのことです。
つまり、システムを使う立場のお客さんから直接発注された案件ですね。
このプライム案件を受けられる企業は、下請けが蔓延しているIT業界において、非常に恵まれていると言えるでしょう。
下請けではなく、一次請けとしてプロジェクトに関わる契約形態ですので、納品物の品質に責任を持って仕事をすることになります。
※エンド案件、という呼び方もあります。
IT企業へ就職・転職する際に、プライム案件メインなのか、それとも下請けメインなのかは、非常に大切なポイントです。
プライム案件メインの企業が持つ特徴
プライム案件を中心にしている企業が持っている特徴をまとめました。
利益率&給与水準が高い
プライム案件の最大の特徴といっても良いのが、利益率の圧倒的な高さです。
下請け案件と違って、仲介業者がいないため、手数料や紹介料を中抜きされることがありません。
SESの多重下請けはなぜ蔓延する?防ぐ方法やメリット・デメリットを解説。
5次請けや6次請けなど深い商流で受ける案件とは、まさに天地ほどの差があります。
そのため、エンジニアへの還元率を高くすることができるので、給与水準のUPにもつながります。
チーム体制で仕事ができる
直で受けている案件なので、自社から数名の人員を送り込むことができます。
チーム体制で仕事ができるので、エンジニアの自社への帰属意識が高まり、また自社の社員同士で仕事を割り振りしあうことができるため、
少人数で常駐する場合と比べて、圧倒的に仕事がしやすくなります。
一方で、4次受け、5次受けなど商流が深い案件の場合ですと、そこまでにいろんな企業へ切り出されたりする関係で、1名募集など少数になりがちです。
発注企業とのコネクションがある
良質なプライム案件メインで回している企業は、発注元の企業と太いコネクションがあるケースがあります。
例えば、社長の前職場から仕事をもらっているパターンなどが該当します。
そのような強いコネクションがある場合、SES案件を取ってくる営業そのものが不要となります。
営業部隊がなければ、その分の給与をエンジニアに回すことができますね。
ただし、特定の企業に依存しすぎている場合は注意が必要です。もし、何らかの理由でその発注元から仕事がもらえなくなった場合に弱いからです。
2〜3社から安定的に仕事をもらえている企業が理想です。
営業力が高い
営業力が高く、良質なプライム案件を中心に取ってこれるケースです。
また、営業が強いと、案件数が豊富ですので、エンジニアが希望の現場に行きやすいメリットもあります。
エンジニア個人のキャリアパスを考慮した上で、マッチした現場に行くことができます。
プライム案件のデメリット
プライム案件のデメリットとしては、責任が重い、という点です。
なぜなら、プライム案件ではお客さまから直接仕事を請けることになります。
そのため、プロジェクトの進行や、プロジェクトそのものの品質に責任を持たなくてはなりません。
契約形態は様々ですが、SESでよくある準委任契約ではなく、請負契約であることが多く、システム開発を一手に担うことになります。
準委任ではなく請負契約であることで「瑕疵担保責任」が発生するため、何か納品物に不備があれば巨額の賠償も負いかねないリスクがあります。
一方で、商流が深いSES案件では、準委任契約で、あくまでもエンジニアとしての労働力を、時間単位で切り売りする形となります。
成果物に対する責任は上流の企業が負うため、
乱暴な言い方をしてしまえば「ただ人員を送り込めば良い」という気軽さや、参入障壁の低さがあります。
プライム案件メイン企業の探し方
転職エージェントから情報収集する
結論から言って、プライム案件を中心に受注している企業を見分けるために、最も効果的な方法は、企業の内情に詳しい転職エージェントに相談することです。
Geekly(ギークリー)なやレバテックキャリアなど複数社の転職エージェントに登録しましょう。
なぜなら、転職エージェントのキャリアアドバイザーは、企業の人事部と密にコミュニケーションを取り合い、内情にも詳しいためです。
そのため、入社前に、会社の実情を把握することができます。
そのほかにも、以下の方法でプライム案件メインかどうかをある程度判定することができます。
- 取引先企業一覧を見る
- 資本関係を把握する
- 面接の際に人事担当者に質問する
- 転職会議など情報サイトを見る
それぞれ、解説していきます。
取引先企業一覧を見る
企業HPの取引先企業一覧を見ることで、プライム請け案件中心か、下請け中心かをおおよそ判断することができます。
取引先が官公庁や銀行など、非IT企業が中心ですと、プライム案件を中心にこなしている可能性が高くなります。
一方で、NTTデータ、Oracle、日立製作所など大手SIer企業や、同業社ばかりが取引先に掲載されている場合、
その大手SIer企業の下請け業務がメインであることが予測されます。
資本関係を把握する
会社の沿革などを確認して、資本関係にある親会社をチェックしましょう。
システム開発会社などの場合、そちらからの2次請け案件がメインである場合が多いです。
一方で、親会社が業界で名の通った大企業である場合は、必ずしも悪いことではありません。
安定的に仕事がもらえますし、グループ企業ですのでスケジュール面で融通がきくこともあるためです。
面接の際に人事担当者に質問する
面接の際に、人事担当者に直接質問することで、プライム案件メインかどうか、確認することができます。
ただし、あまり突っ込んだ質問をしすぎると印象が悪くなってしまいますので、事実確認をする程度にとどめておくのが無難です。
例えば「1次請けか、下請けどちらがメインですか?」という直接的すぎる質問は、失礼にあたります。
良い聞き方の例としては「○社とお取引がありますが、お客様と直接折衝して仕様決めなどのフェーズに携わることは可能ですか?」などです。
1次請け企業でしか担当することができない業務が遂行可能かどうか、などを聞くと良いでしょう。
人事担当者も、質問の意図を汲み取って、回答してくれるはずです。
転職会議など転職情報サイトで情報収集する
転職会議などの転職情報サイトへの登録もしておきましょう。「転職エージェント」や「転職サイト」とは少し違ったアプローチの方法です。
転職会議は企業の現社員・元社員からの「企業への口コミ」や「求人情報」を掲載している転職情報サイトです。
情報量が多く、転職エージェントに掲載されている企業のほとんどが網羅されています。
ただし、こういった企業情報サイトは、やめた人の意見が中心ですので、ネガティブな意見が多いというのは認識しておきましょう。
その上で、ポジティブなコメントを参考にして企業を決める際の参考にしてみると良いですね。
転職エージェント(キャリアアドバイザー)に聞く
転職エージェントは、数多の求人者・企業を見てきた転職のプロです。
企業の人事部と密に連携を組んで、日々情報収集に当たっています。そのため、入社前から、社内の実情を知ることができます。
また、面談の時に、企業の人事部に聞くことも可能ではありますが、あまり質問が多かったり、突っ込んだ質問をしすぎると悪い印象を与えかねません。
その点、キャリアアドバイザーであれば、遠慮なく聞くことができます。
就職・転職は情報戦です。
自分一人で転職活動するよりも、情報通であるキャリアアドバイザーを味方につけることで、
圧倒的に「情報強者」になることができますので、登録しない手はありません。
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