it企業における客先常駐の割合
IT関連企業では、客先常駐の割合が非常に大きくなっています。
事実として、IT業界において客先常駐(SES)をしている企業の割合は、全体の9割(92.3%)を超えています。
また、客先常駐している IT エンジニアの比率が7割を超えている企業は28.8%となっています。
9割以上、と聞くと「客先常駐しなくて済む企業に入りたい。」そんな風にお考えの求職者にとって、非常に絶望的な数値です。
結論から言って、完全に客先常駐をしていない企業に入るのは、非常に難しいと言えます。
客先常駐を避ける具体的な方法
客先常駐率の低い企業を探す
現実的には、客先常駐を全くしていないIT企業を探すことは非常に難しいです。
一方で、客先常駐をしている企業のうち39.3%の企業が、客先常駐している IT エンジニアの比率が3割以下となっています。
客先常駐比率が低い企業を選ぶことで、客先常駐となる可能性を下げることができます。
また、入社前にしっかりと配属の希望を伝えることも大切ですね。
多重下請け企業は避ける
IT企業が下請けかどうかの見分け方。ソフトハウスエンジニアが解説。
IT業界では「多重下請け構造」が、業界の標準的な商流として当たり前になっています。
自社に案件が回ってきた段階で、4次請け、5次請けというケースもよくあります。
多重下請けの案件は、ほぼSES(現場常駐)の作業ですので避けたいですね。
企業規模は関係なく、ある程度大きなSIer企業においても、多重下請けの下層に位置することがあります。
こうした多重下請け構造を「商流が深い」と言います。
SESは中抜きされるって本当?ブローカーに一円も渡さず単価UPする方法。
商流が深いと、間に入った中間業者に中抜きをされてしまうので、エンジニアの給与が上がりにくいという構造的な問題も抱えています。
見分け方
IT業界の中には「多重下請け」をしていない会社も、ごく少数ながら存在しています。
結論から言って、客先常駐が少なく、商流が浅い企業を見分ける効果的な方法は、企業の内情に詳しい転職エージェントに相談することです。
マイナビ IT AGENTやGeekly(ギークリー)など複数社の転職エージェントに登録しましょう。
なぜなら、転職エージェントのキャリアアドバイザーは、企業の人事部と密にコミュニケーションを取り合い、内情にも詳しいためです。
そのため、入社前に、会社の実情を把握することができます。
おすすめの転職エージェント
客先常駐ではない会社の特徴
身売りSES企業を避けるためには、客先常駐メインではない会社に転職する形になります。
客先常駐メインではない会社の特徴は以下。
- 自社製品を持っている
- 大手企業と太いコネクションがある
- 商流が浅い
- 高度なセキュリティ技術を持つ
それぞれ解説していきます。
自社製品を持っている
SESから自社開発に転職したい!具体的な方法を現役エンジニアが解説。
自社が提供するサービス、例えばWebサイトやアプリケーションなどを自社で開発することができる企業では、客先常駐を避けられる可能性が高まります。
これは、SES(現場常駐)が横行しているIT業界において、非常に恵まれている条件です。
ただし、売り上げの比率を確認することを忘れずに。
あくまでもSESメインで「売れていない自社製品」を持っているだけのケースがあります。
また、自社内で開発部隊が機能しているのか、入社前に確認しましょう。
そして、現場常駐ではなく社内勤務希望であることも、忘れずに伝えてください。ただし全くSESをしていない会社であれば不要です。
大手企業と太いコネクションがある
中小企業でも、ごく少数ではありますが、仕事を自社に持ち帰って作業できる会社も存在しています。
見極め方は難しいですが、一例として、大手企業との密なコネクションを持っている会社です。
企業HPの取引先企業一覧を確認したり、社長や役員の経歴などを見ることでもわかりますが、転職エージェントに確認するのが間違いないでしょう。
商流が浅い
SESのプライム案件(1次請案件)とは。獲得企業の見分け方をシェア。
大手企業とコネクションがあれば、そこから1次請け案件をもらうことができます。
商流が浅く、プライム案件(1次請案件)を中心にこなしている企業を探しましょう。
手法としては、太いパイプを持つ大手企業から、1次請け案件(プライム案件)をもらっています。
1次請けなら、クライアントと直接つながっているため、自社内で作業する交渉もしやすいのです。
高度なセキュリティ技術を持っている
SESが横行した背景に、セキュリティ面での都合があります。
顧客情報やその他機密情報の漏洩を防ぐために、常駐先での作業を求めるのです。
一方で、自社で持ち帰りで作業してもらう場合、作業場所が増える分、情報漏洩のリスクが高まります。
そのため、高いセキュリティ技術を持ったパートナー企業でないと任せられないのです。
客先常駐ではない会社の見分け方
転職情報サイトで情報収集する
転職会議などの転職情報サイトへの登録もしておきましょう。「転職エージェント」や「転職サイト」とは少し違ったアプローチの方法です。
転職会議は企業の現社員・元社員からの「企業への口コミ」や「求人情報」を掲載している転職情報サイトです。
情報量が多く、転職エージェントに掲載されている企業のほとんどが網羅されています。
実際に働いていた人の書き込みが中心ですので、その企業での働き方なども知ることができます。
ただし、こういった企業情報サイトは、やめた人の意見が中心ですので、ネガティブな意見が多いというのは認識しておきましょう。
その上で、ポジティブなコメントを参考にして企業を決める際の参考にしてみると良いですね。
転職エージェント(キャリアアドバイザー)に聞く
転職エージェントは、数多の求人者・企業を見てきた転職のプロです。
企業の人事部と密に連携を組んで、日々情報収集に当たっています。そのため、入社前から、社内の実情を知ることができます。
企業の人事部に直接聞くことも可能ではありますが、突っ込んだ質問をしすぎると悪い印象を与えかねません。
その点、キャリアアドバイザーであれば、遠慮なく聞くことができます。
マイナビ IT AGENTやGeekly(ギークリー)など大手エージェントから登録するのがおすすめです。
身売りSES以外へ転職
客先常駐を避けるためには、客先常駐のない職種へ転職する方法もあります。
その際におすすめの職種をご紹介します。
社内SE
社内SEとして働けば、基本的にはその会社への出社となりますので、SESや客先常駐で摩耗することはなくなります。
社内SEを狙う業界については、異業種でも同業種でもどちらでも良いでしょう。
フリーランス
フリーランスとして、独立するのもひとつの手段です。ただし、フリーランスにはリスクもあります。
- 以前の職場から仕事がもらえる
- 1年分ほど収入がなくても大丈夫な貯金がある
- 副業で成果が出ている
など、リスクが下がる要因が用意できている状態で、独立するのがオススメです。
IT転職のおすすめ転職サイト
今は優秀な転職エージェントがサポートしてくれる転職サイトがあるため、恵まれています。
おすすめ転職エージェント
- マイナビ IT AGENT|人材紹介・転職サイト:定番のマイナビです。大手なので案件数も多く、登録だけでもしておくと良いでしょう。
- Geekly(ギークリー)|IT・Web・ゲーム業界特化型の転職エージェントです。首都圏のIT企業に強いコネクションを持ち、IT業界に関する非公開求人・独占求人を多く保有しています。
- 社内SE転職ナビ|社内SE案件を専門に扱う転職エージェントです。社内SEの求人数は業界トップレベルで、SES(客先常駐)からのキャリアアップを目指すエンジニアに多く利用されています。
※各社のプロモーションを含みます。
転職サイト・転職エージェントに一度登録してしまえば、
あとは「転職のプロ」であるキャリアアドバイザーが、親身になって案件紹介・履歴書作成支援・模擬面談などのサービスを提供してくれます。
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