SESは中抜きされる
SES業界においては、紹介された案件に別のSES会社が挟まっていることがよくあります。
いわゆる「多重下請け構造」で、ひどい場合には4次請け、5次請けのケースもあります。
ここで問題になるのが、間に入った会社が「紹介料」や「手数料」などの名目で中間マージンを抜いていくことです。
一社、二社、と次々にブローカー(仲介者)が中抜きしていくので、現場で働くエンジニアの取り分が少なくなってしまいます。
実際に私も多重下請け案件で現場常駐したことがありますが、ろくなものではありません。
この記事を執筆している筆者は、SE歴10年です。
SES・客先常駐も5年で、様々な現場を経験しました。
顔も名前も知らないブローカーに、毎月こっそり売り上げを抜かれていると思うと本当にしんどいですよね。
中抜きされない案件の探し方
結論から言って、ブローカーに中抜きされないためには、
- 上流工程を担当できるSIer企業に転職する
- 1次請け案件メインの会社に転職する
これがベストの解決策です。
まずはクライアントに近い、上流工程に携われる案件を目指しましょう。
基本的に、システム開発の上流工程は、元請けや2次請け企業が担当することがほとんどです。
商流が浅い場所で仕事できるので、仲介業者が不在です。
また、1次請けメインの企業を探しましょう。
多重下請けの下層で仕事を取っている企業は、次の案件もまた下請けであるケースが多く、なかなか抜け出せないためです。
マージンが抜かれない企業やSES案件を見分けるために、最も効果的な方法は、企業の内情に詳しい転職エージェントに相談することです。
マイナビ IT AGENTやGeekly(ギークリー)など複数社の転職エージェントに登録しましょう。
なぜなら、転職エージェントのキャリアアドバイザーは、企業の人事部と密にコミュニケーションを取り合い、内情にも詳しいためです。
そのため、入社前に、会社の実情を把握することができます。
中抜きされない方法
プライム案件(一次請け案件)を中心にする
「プライム案件(一次請け案件)」とは、クライアントから直接仕事を発注してもらうこと。
プライム案件を受けられる企業は、下請けが蔓延しているIT業界において、非常に恵まれていると言えるでしょう。
そもそもブローカー(仲介業者)が不在ですので、中間マージンを支払うことはありません。
そのため、高い利益率で仕事を回すことができます。
発注企業とのコネクションがある
良質なプライム案件メインで回している企業は、発注元の企業と太いコネクションを持っています。
例えば、社長の前職場から仕事をもらっているパターンなどが該当します。
そのような強いコネクションがある場合、SES案件を取ってくる営業そのものが不要となりますし、商流が深すぎる案件で磨耗することもありません。
営業部隊がなければ、その分の給与をエンジニアに回すことができますね。
営業力が高い
営業力が高く、良質なプライム案件を中心に取ってこれるケースです。
また、営業が強いと、案件数が豊富ですので、エンジニアが希望の現場に行きやすいメリットもあります。
SESは案件を選べない?ミスマッチを防ぐには積極的に選ぼう。
エンジニア個人のキャリアパスを考慮した上で、マッチした現場に行くことができます。
SES営業が盛んな会社は注意
一方で、SES営業が盛んに行われている会社は注意が必要です。
SES営業は、「商流の深すぎる多重下請け案件」を紹介しあっていることが多いためです。
一度そのような商流の深い場所でSES案件を回しあうと、そのループからなかなか抜け出せなくなります。
プライム案件メインかどうかを判定する方法は以下の記事にまとめています。
SESのプライム案件(1次請案件)とは。獲得企業の見分け方をシェア。
1次請け案件中心の企業は存在します
多重下請けが蔓延しているSES業界において、
1次請け案件を中心にした企業を探す、というのは理想論のように聞こえるかもしれません。
ですが、10年この業界に携わってきて、様々な企業を見てきた私一個人の意見としては、
1次請け中心で立ち回っている企業は確実に存在している、と言うことです。
他の企業が商流の深いところで苦しんでいるのを横目に、利益率の高い仕事を淡々とこなしています。
どうせSESで働くなら、そういった企業が良いですよね。
確かに数は少ないですが、確実に存在していますのでご安心ください。
ホワイトな優良SES企業って存在するの?見分け方を徹底解説。[現役エンジニアが語る]
転職エージェント(キャリアアドバイザー)に聞く
転職エージェントは、数多の求人者・企業を見てきた転職のプロです。
企業の人事部と密に連携を組んで、日々情報収集に当たっています。そのため、入社前から、社内の実情を知ることができます。
また、面談の時に、企業の人事部に聞くことも可能ではありますが、あまり質問が多かったり、突っ込んだ質問をしすぎると悪い印象を与えかねません。
その点、キャリアアドバイザーであれば、遠慮なく聞くことができます。
就職・転職は情報戦です。
自分一人で転職活動するよりも、情報通であるキャリアアドバイザーを味方につけることで、
圧倒的に「情報強者」になることができますので、登録しない手はありません。
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