IT企業が下請けかどうか見分ける
IT企業へ就職・転職する際に、下請けメインなのか。それとも、1次請けメインなのかは、非常に大切なポイントです。
しかしながら、「ITゼネコン」と呼ばれてしまうように、IT業界では、多重下請け構造が蔓延しています。
場合によっては4次請け、5次請けなど、商流が深すぎる案件もあります。
IT業界の多重下請け構造
SESの多重下請けはなぜ蔓延する?防ぐ方法やメリット・デメリットを解説。
できれば避けたい、多重下請け。
なぜなら下請けには問題点がたくさんあるためです。
- 中間マージンが発生して給与水準が低い
- 顧客からの距離が離れており、仕様を理解しにくい
など、デメリットが多いのです。
当メディアは、株式会社ウィザードが運営しています。
ウィザードは1998年に設立したソフトウェア開発業務を遂行する企業で、これまで受託開発をメインに20年以上の実績があります。
例:単価100万円の場合
例えば、単価100万円の案件があるとします。
直接取引(1次請け企業)であれば、そのまま100万円を売り上げることになります。
一方で、2次請け…n次請けと商流が深くなっていくと、どんどん売り上げが減ってしまいます。
発注元と下請け企業の間に何社も挟まっている仲介業者が「紹介料」という名目で抜いていくのです。
いわゆる「商流が深い」という状態ですね。
また、実際に開発業務を行うn次請け企業は、発注者と遠い関係にあるため、仕様の理解が難しくなります。
さらに、商流が深すぎると、作業の質も落ちる傾向にあります。
良いポジションは、仲介業者によってすでに埋まっていくためですね。
下請けかどうかを見分ける方法
結論から言って、下請けかどうか?を見分けるために、最も効果的な方法は、企業の内情に詳しい転職エージェントに相談することです。
マイナビ IT AGENTやGeekly(ギークリー)など複数社の転職エージェントに登録しましょう。
なぜなら、転職エージェントのキャリアアドバイザーは、企業の人事部と密にコミュニケーションを取り合い、内情にも詳しいためです。
そのため、入社前に、会社の実情を把握することができます。
そのほかにも、以下の方法で下請けかどうかをある程度判定することができます。
- 取引先企業一覧を見る
- 資本関係を把握する
- 面接の際に人事担当者に質問する
- 転職会議など情報サイトを見る
それぞれ、解説していきます。
取引先企業一覧を見る
企業HPの取引先企業一覧を見ることで、1次請け案件中心か、下請け中心かをおおよそ判断することができます。
例えば、NTTデータ、Oracle、日立製作所など大手SIer企業や、同業社ばかりが取引先に掲載されている場合、
その大手SIer企業の下請け業務がメインであることが予測されます。
一方で、取引先が官公庁や銀行など、非IT企業が中心ですと、1次請けを中心にこなしている可能性が高くなります。
資本関係を把握する
会社の沿革などを確認して、資本関係にある親会社をチェックしましょう。
システム開発会社などの場合、そちらからの2次請け案件がメインである場合が多いです。
一方で、親会社が業界で名の通った大企業である場合は、必ずしも悪いことではありません。安定的に仕事がもらえますし、グループ企業ですのでスケジュール面で融通がきくこともあるためです。
面接の際に人事担当者に質問する
面接の際に、人事担当者に直接質問することで、1次請け案件メインかどうか、確認することができます。
ただし、あまり突っ込んだ質問をしすぎると印象が悪くなってしまいますので、事実確認をする程度にとどめておくのが無難です。
例えば「1次請けか、下請けどちらがメインですか?」という直接的すぎる質問は、失礼にあたります。
良い聞き方の例としては「○社とお取引がありますが、お客様と直接折衝して仕様決めなどのフェーズに携わることは可能ですか?」などです。
1次請け企業でしか担当することができない業務が遂行可能かどうか、などを聞くと良いでしょう。
人事担当者も、質問の意図を汲み取って、回答してくれるはずです。
転職会議など転職情報サイトで情報収集する
転職会議などの転職情報サイトへの登録もしておきましょう。「転職エージェント」や「転職サイト」とは少し違ったアプローチの方法です。
転職会議は企業の現社員・元社員からの「企業への口コミ」や「求人情報」を掲載している転職情報サイトです。
情報量が多く、転職エージェントに掲載されている企業のほとんどが網羅されています。
ただし、こういった企業情報サイトは、やめた人の意見が中心ですので、ネガティブな意見が多いというのは認識しておきましょう。
その上で、ポジティブなコメントを参考にして企業を決める際の参考にしてみると良いですね。
転職エージェント(キャリアアドバイザー)に聞く
転職エージェントは、数多の求人者・企業を見てきた転職のプロです。
企業の人事部と密に連携を組んで、日々情報収集に当たっています。そのため、入社前から、社内の実情を知ることができます。
また、面談の時に、企業の人事部に聞くことも可能ではありますが、あまり質問が多かったり、突っ込んだ質問をしすぎると悪い印象を与えかねません。
その点、キャリアアドバイザーであれば、遠慮なく聞くことができます。
就職・転職は情報戦です。
自分一人で転職活動するよりも、情報通であるキャリアアドバイザーを味方につけることで、
圧倒的に「情報強者」になることができますので、登録しない手はありません。
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- マイナビ IT AGENT|人材紹介・転職サイト:定番のマイナビです。大手なので案件数も多く、登録だけでもしておくと良いでしょう。
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